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ユウキは高機能自閉症 2: ADHDからASDへ

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プレスクールでは周りの人たちのアドバイスのおかげで、すんなりと入園、楽しく通園することができました。PreーK(年中さん)の先生に言われたのは『ユウキはスペシャル・エディション』です。

でも、小学校(エレメンタリースクール)はまったく違いました。初日から、担任の先生から『落ち着きがなく困っている』の電話とともに、問題が次々とあきらかに。。。それでも、学校、先生のアドバイスと協力のおかげで留年(停学処分もなし)することなく卒業できました。

私一人ではきっと、小学2年生でユウキの特性を発見、診断までこぎつけることはできなかったと思います。

集団行動が苦手・見えるすべてが気になる

エレメンタリースクールの教室

テキサスでは5歳からキンダーガーデン(年長さん)としてエレンタリー・スクール(小学校)に入学します。

初日からユウキはクラスでうまく馴染目ませんでした。

・カリキュラムの時間通りに移動できない
・教室のいろいろな飾りが気になって、授業中でもウロウロする
・決められた席にじっと座ることができない
・全ての音が気になって集中できない
・クラスに到着すると、靴も靴下も脱いで素足になる

同じ学校に通っていた長女(当時5年生)がユウキを落ち着かせるために、初日からかり出される始末。

自宅にも頻繁に担任の先生からどう扱ったらいいのか教えて欲しいと電話がありました。

先生のユウキ対応策

ユウキの担当は大学を出たばかりの新卒の若い先生でしたが、色々とユウキ対策をしてくれました。

・カリキュラムの時間通りに移動できない 
    → ユウキ専用のイラスト付き時間割で視覚で理解させ、1つが終わるたびにシールを貼って達成感を与える

・教室内をウロウロする
    → 先生のすぐ横に座らせて監視する

・決められた席に座っていられない
    → 座っていなくても、先生のそばにいればOK
    → ウロウロしていても、先生の質問には正解を答えているのがプラスでした
    → ウロウロしていても他の生徒にはちょっかいも出していないのもプラスでした

・全ての音が気になる
    → ヘッドフォンで音を遮断する

・教室内に入るとすぐに素足になってしまう
    → 学校側が妥協してくれて、建物内は素足OK。屋外に出る時には靴を履くというユウキルールが適応

https://www.examples.com/business/reward-charts-for-kids.html

1ヶ月後小児科医に相談

ユウキがエレンタリースクールに通い出して1ヶ月、いろいろ対策を行いました。しかし、他の子のようには出来ない。そこで、赤ちゃんの頃から通っている小児科医に相談することにしました。

すると、小児科医から『ADHD』の可能性が高いが、判断するには年齢が低すぎるとのこと。

とはいえ、学校も親も困っているようなので薬を試してみましょうという話になりました。

小児科医に言われたこと

ADHDは『脳』の働き方が一般の人とちがう障害で、対処の仕方を覚えることで年齢とともに障害が軽くなる

薬は『落ち着かせる』ためのものであり、障害を治すのでなく抑えるために必要なもの

服用期間は個人差はあるが、生涯にわたって継続する可能性がある

ADHD治療薬の使用開始

薬を飲んでよかったこと

薬を飲み始めると、目に見えて行動に変化が出てきました。

1 ウロウロする時間が短くなって、席に座れるようになった

2 集中力が増えて、一人で与えられた課題をこなせるようになった

3 カリキュラム通り従って行動することが多くなった

薬を飲み始めて2、3日後には子供を学校まで迎えにいくと先生から

『ユウキのお母さん、すっごくユウキがいい子になってよかったですね!』

と知らない先生から褒められるほど、ユウキの行動が変化しました。

薬を飲んでも変わらなかったこと

『素足で学校内で過ごす』これは薬を飲んでも変えられず、エレメンタリースクールを卒業するまでそのまま継続

カリキュラムの時間に従って行動するのは時間と共にできるようになったのですが、いつもと違うことがあると自制が効かず先生を困らせることもありました。

例)昼休みに校庭で遊んでいて転んだため、膝にかすり傷ができた。たいした傷ではないのに、足を引きずりながら歩いたため通常5分で教室まで戻れるのに20分かかった

薬の副作用

ユウキに起こった副作用は2つだけです。副作用を監視するために3ヶ月ごとに小児科医への定期検診に通いました。

このほかに一般的には他にも副作用があります。

主な副作用や注意点

消化器症状 食欲減退、吐き気、嘔吐、腹痛など
循環器症状 動悸、血圧変動

神経精神系症状 頭痛、めまい、不眠、傾眠、幻覚、散瞳による眼圧上昇


注意欠陥・多動性障害(ADHD)治療薬の解説 – 日経メディカル
https://medical.nikkeibp.co.jp

高機能自閉症の診断を受ける

何かがADHDとは違う。。。

診断後、本を読んだりネットで調べたのですがユウキは典型的なADHDには当てはまらず『なぜ』という疑問がありました。

1 時どき、独り言を言いながら家の中をクルクルと歩き回る
2 他の子に興味をほどんど示さない
3 見慣れたもの・好きなものに強いこだわりがあり、変化を嫌う
4 スピーチセラピーを受けているのに、言葉の発達が遅い

特に『3』の強いこだわりは、とても扱いにくく困りっていました。

靴のサイズが小さくなっても、新しい靴に変えたくない

『みどり』色が好きで、みどりのものなら全て自分のモノにしたい

自分の思っていた通りにいかないと、どんなに説明しても10−30分泣き叫ぶ

強いこだわりが治らない

ユウキの2年生の時の担任の先生が私の疑問に感じていたことを指摘してくれました。

『ユウキには強いこだわりがあり、なにかを無理やり取り上げると泣き叫びます。でも選択肢をあげて、選ばせるとしぶしぶと選んで指示に従えます。もしかしたら、ADHD以外の障害かもしれません。』

この先生は2人の子供を持つ30代の経験豊かな先生だから気が付いてくれました。

そこで、学校で他の発達障害を検査することになりました。

高機能自閉症と認定される

検査は学校の施設内で行われ、ユウキの行動を観察、面談を行い反応をみる、担当教員と母親(私)への4択によるアンケートでした。

結果は、『高機能自閉症

とても納得する診断でした。ユウキの友だち(同じくADHD診断されたいた)と比べても、何かが違っていた理由がわかりました。

Plano学区は公立学校(パブリックスクール)なので検査は無料(税金で負担されています)

普通学級から特別学級へ

診断結果を受けて、スグに特別学級に移動することになりました。と言っても通う学校は同じで、向かう教室が普通学級から少人数制のクラスに変更になるだけです。

大きな違いは IEP (Individualized Education Program)という学習プログラムが各生徒の能力と成長過程に合わせて作られます。このプログラムを作るためには、毎年1度、学校側と生徒の親がARD (Admission, Review and Dismiss)ミーテイングがおこなわれて、IEFプログラムを作成されます。

https://childfindtx.tea.texas.gov/ARD_committee.html

ミーテイングに参加する時に英語に自信がない場合は、通訳をリクエストすることも可能です

ユウキ用のプログラム

・週2回のスピーチセラピー
・ESL(第二言語学習)を受けさせる
・社会性を身につけるための、授業をカリキュラムに組み込む
・集中力がないので、こまめな休憩を取らせる
・癇癪をおきそうなときは、5分間の冷却期間を与える

など、細かくゴールや対処法が話し合いきめられました。

ARDミーテイング、IEPプログラムの詳しくことは下の記事で!サイトに日本後に翻訳してくれるボタンが右上にあります。 ↓ ↓ ↓

IEPプログラム・ARDミーテイングの効果

1 大人数が苦手なユウキを少人数制のクラスに移動できた
2 コミュニケーションスキルを学ぶための授業が増えた
3 カスタマイズされたカリキュラムとなり無理する必要がなくなった
4 毎晩、苦労していた宿題を免除された
5 障害児教育の訓練を受けた先生のサポートを受けることができたため、毎日問題なく通学できた

ユウキが高機能自閉症と診断され時にはすでに、別居しており離婚を目指していた状態でした。

そのため診断結果は納得でしたが、不安があり最初のARDミーテイングではいろいろ質問をし2時間近くかかりました。

ですが、嫌な顔もせず親身に話を聞いてもらい、アドバイスをしてもらったことを覚えています。

もし発達障害の可能性がある場合には、学校に相談することをお勧めします。親も子供も、サポートを受けたほうが楽しい学校生活を送ることができます。

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