アメリカの歯科医院で働くひとたちのことをお話しします。患者さんには、座っているだに見えますが、クリニック内を歩き回っています。じっとするのが苦手な人に、向いている仕事です。
歯科医/Dentist
歯科医がクリニックでは中心的存在です。特に開業医の場合は、歯科医がそのクリニックの所有者でもあります。
- 従業員が着るスクラブの色、メーカー
- 従業員に求めるカスタマーサービスの方針
- 患者さんへの治療方針
- 開業時間
- クリニックの内装
これらのことは歯科医次第です。
外国人歯科医師が多い理由
テキサスでは、アメリカ国外で歯科医免許(外国人歯科医)を持っている人でも国家試験と州の実技試験に合格すると開業することができます。
テキサスの他に、カリフォルニア、ハワイ、オハヨ州でも同じようにアメリカ国外で歯科医免許を持った人が開業ができます。(詳しいことはここをクリック)
私が働いたクリニック2と3の歯科医も、それぞれの母国で歯科医となり、アメリカが開業しています。(詳しいことはこの記事で)
同じ理由でインド・パキスタン系の歯科医がテキサスで開業することが多く見られます。
- インド・パキスタンではアメリカの歯科大学と同じテキストを使用
- インド・パキスタン人は英語レベルが高いので試験に合格しやすい
歯科医になるには『手』が小さいほうが有利です。先生が教えてくれました。口の中は小さいので、『手』が大きすぎると治療が大変だそうです。
だから小柄なアジア系の歯科医の方が大柄なアメリカ人よりも適性が高いかもしれません。
歯科衛生士/Dental Hygienist
アメリカでは歯科衛生士は人気のある職種です。
- スタート時の時給は30ドルから
- 自分で仕事のスケジュールを組みやすい
というのが人気の理由です。
歯科衛生士とは
歯科衛生士は歯のクリーニングの専門家です。朝から晩まで患者さんのクリーニング(スケーリング、歯磨き、フロス)をします。それだけです。
スケーリング(scaling)とは器具を使って、歯から歯垢・歯石を取り除くことです。これが歯科衛生の仕事です。
助手はこの作業をすることを認められていません。できるのは歯を磨くこととフロスをすることだけです。
歯科衛生士になるには
テキサスでは、歯科衛生士になるためには週が認可する2年または4年コースの専門学校を終了し、その後テキサス州の筆記と実技試験に合格する必要があります。
人気のある職種なので、なりたい人が多いので学校に入学するのが難しいと言われています。
- 歯科衛生士の学校に入るために必要なこと
- 高校の成績がオールA、またそれに近いこと
- 入学前に歯科関係での経験を必要
- 入学前になぜ歯科衛生になりたいかのエッセイを提出する
- 実技試験が難しい
- 新卒ではなかなか採用してもらえない
- フルタイムで働くのが難しい(時給が高いため)
ですが経験を積めば時給は上がるし、働く場所も選びやすくなります。
ここにもインド・パキスタン系の歯科医がアメリカで歯科衛生士として働いているケースを見ます。歯科医になるのは時間がかかるから、歯科衛生士なったという人もいました。
歯科助手/Dental Assistant
歯科助手の仕事内容
助手の仕事は歯科医と歯科衛生士のアシストです。治療室では先生と一緒に椅子に座り、サクションを持って座っているだけに見えます。これは一部にすぎません。
歯科医のアシスト以外にも仕事はあり、クリニック内を歩き回っています。
- 治療前の器具の準備、器具の片ずけ、治療室の整理整頓
- 患者さんからの質問の対応
- 足りない備品の補充、管理
- レントゲン撮影
- 電子チャート(カルテ)の記入
- クラウン、入れ歯の歯型をラボへの発送、受け取り、管理
などなど歯科治療に関すること全てで、1日立っていることの方が多い仕事です。
助手は高校卒業資格で、できる仕事なのでいろいろな経緯を持つ人がいます。
- 高校卒業後、手に職をつけるため
- 将来、歯科医・歯科衛生士になりたいから経験するため
- 他の国では歯科医資格はあるけど、アメリカでは資格がない
- 子育てが終了して、働きたい
日本人は働き者だから好まれる
10年働いて見て、アジア系の歯科医は日本人が好きな人が多いと実感します。面接に行くととても好意的でした。他の助手と比べて、おしゃべりもせずに黙々と働くからです。
今の先生は『誰かいい人(助手)を知らない?出来れば、日本人がいいけど』と私ともう1人の助手にこっそり理由を教えてくれました。
受け付け/Front
まずクリニックに入って、すぐに対応してくれるスタッフです。
- 電話での予約の受付
- 患者さんのチェックイン・チェックアウト
- 保険会社へ患者さんの保険内容の確認
- 治療のと治療費の説明と回収
これらを同時進行で行います。忙しいクリニックでは、電話対応をしながら、治療費の回収をし、患者さんをチェックインしたりと、冷静な対応能力が必要になります。
受け付けで仕事をするたの必要な資格はありません。仕事を始めて適性があると認められれば、そこから仕事が広がって行きます。
歯科助手から受付へ変わる人、受付から歯科助手へと変わる人など色々あります。
まとめ
同じスクラブを着て働いていても、職種によって仕事内容が違います。そして必要な資格も変わってきます。歯科の仕事に興味がある場合は、受付または資格助手から始めるのがベストです。
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