10年歯科助手として働いて実感するのは、アメリカの根幹治療の技術は日本よりも優れていることとです。特に、根幹治療、Root Canal Treatment (RCT)はアメリカの方が成功率がはるか高いのが現実です。アメリカでの根管治療の成功率は90%以上です。日本とアメリカの治療の違い3つを、歯科助手の経験を通してお話しします。
冷たいもので歯がキーンと長い間痛み出したら
根管治療になる経過も人それぞれですが、主に根管治療が必要な症状は下の3つです。
- 歯の根っこに炎症ができてズキズキと突然痛み出し、痛み止めが必要
- 長い間、歯科治療をできずに虫歯が大きくなり、神経まで到達したから
- 転倒などで歯を強く打って転んだ後遺症で炎症ができた
もし、初めての行ったクリニックで『根管治療』と言われて信じられない場合は、セカンド・オピニオンを別の歯科医で聞いて見まししょう。
日本の根管治療が再治療になるわけ
残念ながら日本で根管治療をした場合、治療が不十分なため再治療になる場合が多くあります。
理由は日本の保険制度のシステム上、十分な治療時間がかけられません。日本で根管治療をすると、上のレントゲンのように根の部分に黒い影(炎症)が残っている患者さんをよく見かけます。
治療時間の違いが値段の違い
根管治療は小さな歯の中の、神経取り除くとても細かい作業を行う治療です。一般歯科医でも最近ではルーペと呼ばれる拡大鏡を使用して治療を行います。
また歯の生えている場所によって神経の通っている数も違います。
- 前歯(Anterior)から犬歯(Canine) 神経は1つ
- 小臼歯 (Premolars)犬歯の奥にある歯2本の神経は通常2本
- 大臼歯(Molars) 奥にある大きな歯2本の神経は通常2ー3本
奥の歯が治療になると、見えにくく治療するスペースも狭くなり、その上神経の数も増えるので治療費が高くなります。
通院は何回するの?
通院回数は、歯の神経の数と炎症の状態によって変わってきます。一般的には
- 前歯・神経が1本なら、1回
- 奥歯・神経が2−3本なら、最低2回
の通院が根管治療で必要になります。
Endodontistにはいつ行くのか?
根管治療の専門医Endodontistは、一般歯科よりさらに2−3年多く根管治療の訓練を受けた歯科医のことです。専門医に行くように言われるのは3つのケースがほとんどです。
根管治療の再治療が必要な場合
口が大きく開けられない患者さん
歯の神経が大きくカーブしていて、治療が難しい場合
根管治療費
テキサスの一般歯科医で根管治療をすると奥歯は$1200-$1800、それ以外の歯は$700-$1200が一般的です。歯科保険を持っていれば、ここから多くの保険が50%をカバーしてくれます。歯科保険を持っている場合は、クリニックの保険担当の人に見積もりを聞いてくだい。
私の体験談
1 次女が前歯の治療をした時には、歯科保険ナシで$900を現金で支払い
2 元旦那さんが専門医Endodontistで奥歯2本を再治療した時には、$4000を個人負担で支払いました。当時は歯科保険がありましたが、年間の使用限度額を超えてしまったため、歯科保険が使えずこのような高額な金額となりました。
私の体験談
次女の治療時にCareCreditを使用しました。私のケースでは1年以内に支払い終了すれば、年利はありません。なので、3回に分けて支払いました。
根管治療が終了したら
根管治療が終わったら、次はクラウン治療が始まります。神経を取り除くということは、その歯『死』んでいるのです。つまり、神経のある歯と比べて弱くなります。歯は毎日の食事で強い衝撃を受けています。その衝撃から守るためにも、クラウン治療は必要です。
まとめ
小さな歯でも、痛くなるとその痛みで食べたり飲んたりすることが困難になり、日常生活に支障が出てきます。その痛みを無視して放置しておくと、根管治療という高額な治療が必要になります。その治療ができないと、最終的には抜歯となります。
歯が一本なくなるだけで、食べにくくなる、歯が移動してすきっ歯になる、などの問題が発生します。
神様と親からプレゼントされた歯を大切にすれば、問題も起きにくくなります。そのためにも年に2回の定期検診とクリニーングに行って高額な治療を予防しましょう!