小さい子を持つ親御さんからたまに聞かれるのが
『うちの子は歯列矯正(Orthodontic Treatment)必要かしら?』
私の回答は『うーん、先生に聞いて見ましょう。』になります。
ここでは、10年歯科助手の経験に元にお話しします。
歯列矯正はどんな歯の人が必要?
歯並びの悪い人とは?
- 八重歯
- 出っ歯
- 歯と歯が重なり合っている
- 上下の噛み合わせが悪い
この条件に当てはまる場合は、歯列矯正をしたほうがが将来的に良いことがあります。でも、患者さんの歯並びによっては絶対必要ということはありません。
歯並びの悪さは遺伝?
歯並びはいくつかの要素で決まります。
- 親または祖父母の歯並びが悪い
- 小さい時におしゃぶりを常に使っていた
- 小さい時に指をしゃぶっていた
- 舌が常に歯を口の中から押している
歯列矯正に最適な年齢
ワイヤーを使ったよく見かける矯正の場合は、すべての歯が永久歯にはえかわってからがベストです。12〜14歳の間です。まだ、顎の骨も固まっていないので歯も動きやすく1年半から2年ほどで治療終了します。
歯列矯正は高校を卒業する前に終了するように始めることをオススメします。高校を卒業すると、大学進学、就職などで移動することが多くなり、治療の継続が難しくなります。
12歳以下の歯列矯正は必要?
12歳以下のお子さんが矯正をする場合、するのは永久歯の前歯だけになります。そして、永久歯が全て生え揃うと2回目の矯正がが必要になります。
個人的な意見ですが、すべて永久歯が揃ってからでもいいように思います。患者さんの年齢が若すぎると、親御さんが歯磨きなど日々のことを管理することになります。
インビザラインは楽な矯正方法?
歯並びが極度に悪くなければ、インビザライン(透明なマウスピースを1日装着する矯正方法)でもOKです。インビザラインは歯の配列を少しずつ整えることはできますが、歯が前後に重なり合って生えているような場合には向いていません。
また、マウスピースを指示通り、22時間装着しなければ効果はありません。患者さんの自主性次第な部分が大きいので、矯正に興味のない中高生が使用すると治療が計画通りに進みません。
歯列矯正がもたらす良い結果
『矯正』というと歯並びを整えるイメージが強いですが、歯列矯正のいいところは見た目が良くなる他にもあります。
- 歯磨き・フロスがしやすくなるので口内衛生が整いやすい(口臭改善!)
- 虫歯予防にもなり歯周病も防ぐことができる(治療費が減る!)
- 上下の歯の噛み合わせ改善で、食べやすくなり食べ物の消化も楽になる
- 口内衛生が向上しやすいので、歯の寿命も伸びる (だたし1日2回の歯磨きとフロス、年に2度の定期検診をした上での話)
歯列矯正のいくつか問題
- 歯科保険が適用されても高額な治療費となる
- 治療が完了するまでに思春期の子供で1年半から2年、大人の場合は2−3年はかかる
- 月に1度の通院を治療が完了するまでする必要がある
- 通院するたびに、歯全体(骨も)をワイヤーでプレシャーをかけて移動させるので痛みを伴う。(まさにNO Pain, NO Gain)
- 歯並びによっては、4本または8本(親知らずを含む)抜歯を勧められる
- 毎日の歯磨きが矯正器具が歯についているため、さらに時間かかかる
歯列矯正は歯科保険は部分補助
アメリカの歯科保険の場合、保険会社とプランによって異なります。なので、クリニックの保険担当が通常、保険会社に電話をしてカバーする限度額を調べてくれます。保険の内容がわからない場合は、クリニックの保険担当の人に聞くと教えてもらえます。
健康な歯の抜歯を勧められる
歯並びが乱れるのは、口の中に32本すべてがまっすぐ歯が生えるスペースがないのも原因のひとつです。
歯並びを整えるにはスペースが必要です。そのため、患者さんによって、第一 Premolarを上下で4本の抜歯を勧められます。出っ歯のかたも抜歯を勧められるケースがあります。
抜歯をせずに歯列矯正をすると、歯並びは良くなっても出っ歯になり口元が気になることもあります。
抜歯は誰でもイヤなものです。ですが、歯並びを整えるためには必要な人もいます。抜歯を勧められたら、先生に理由を質問をして確認してください。
矯正に興味がない患者さん
思春期の子供の場合、親御さんがやる気があっても、当の本人・子供は矯正に興味がないことがあります。そうすると、矯正器具をつけている本人が、治療に非協力的になります。そうすると毎日の歯のお手入れが足りず、あっという間に歯肉炎と虫歯の温床になることもあります。。これは男の子の患者さんに多く見られます。
毎日の歯みがきが大変
ワイヤー矯正の場合、歯にブラケットとワイヤーが装着しているので歯みがきに時間がかかります。また、歯にくっつきやすい食べ物は、器具に付きやすくさらに歯みがきを難しくなります。
- ポップコーン
- グミのような歯につきやすいもの → ブラケットやワイヤーを壊す原因になります
- リンゴのような固くてものを、丸かじり
歯列矯正が終了したら
長い治療が終了すると、今度はリテイナーというものを装着します。矯正器具を取り外して最初の6ヶ月は、歯が元の位置に戻ろうとします。ですから、リテイナーを1日装着しないと歯並びが乱れてしまいます。リテイナーは必ず装着してください。
歯列矯正は矯正歯科医えらびが大切
歯列矯正は、患者さんの『治療への理解』と『歯並びを直したい!』という気持ちがないと、成功するのは難しいです。
そこで、まずはコンサルテーションをオススメします。1カ所ではなく、複数ちがう先生のところに行ってもかません。
そこで、自分の歯をどう直したいのか、何が問題なのかを歯科医に相談して見ましょう。そして、先生の治療プランを聞いて質問する。
良い先生ならば、あなたの質問にちゃんとわかるように説明をしてくれます。その上で、本当に歯列矯正が必要かどうか判断してください。